(有)くらし建築工房 安心して暮らせる二世帯住宅 新築レポート その4

(有)くらし建築工房

 

盛岡市に大切な家族と一緒に安心して暮らせる二世帯住宅を建設中です。

設計を担当するのは長澤紗織設計室の長澤紗織先生。建て主さんと一緒に悩みながら、心地よく安心して暮らせる家づくりを行っている設計士の方です。

施工を担当するのは、(有)くらし建築工房。地元に根差した、きめ細やかな配慮で、快適に健康的に過ごせる心地よい住宅を追及している工務店です。

どんな住宅が完成するのか、とても楽しみになりますね!

 

前回はコチラ⇒安心して暮らせる二世帯住宅 現場レポート(構造工事編)

さて、今回は内部木工事の様子をご紹介いたします。

フローリングを張り、天井板や腰板、格子材などが取り付けられ始めると、一気に暮らしのイメージが湧いてきます。

住宅がどのような工程を経て出来上がっていくのか。そういった完成住宅を見るだけではイメージしづらい部分を紹介する事で、今後住宅の新築を考えている方の助けになれば幸いです。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

床板を張る様子です。

こちらの住宅では、構造材にも使用していた針葉樹・唐松という樹種を採用しています。

唐松は針葉樹の中でも適度な硬さがあるため、暖かみや足触りに加えて強度もあるという、床板にも適した材料です。

見た目としては、幹が太く成長する際に巻き込んだ枝部分、「節」と呼ばれる部分が他針葉樹と比べて多いのも特徴です。

巻き込まれた後も養分が通り、周囲の材と一体化した健全な節は「生き節」と呼ばれ、写真のように木材ならではの美しい丸模様を生み出します。

 

床板の側面に加工された実(さね)と呼ばれる凹凸をかみ合わせながら、1枚1枚、木目や節の様子を確認しつつ、それでいてスピーディーに大工さんは床板を張っていきます。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

こちらは2階スタディーコーナーに取り付ける広葉樹・センの天板です。

長さ3.2m・幅60cmの大迫力サイズ。3枚のセン天板を組み合わせて1枚の天板にした、「幅はぎ材」と呼ばれる材料です。

板の木目や裏表を見極めながら、プロの手で幅方向に繋いで1枚板の風合いに近づける事で、高級感のある仕上がりになっています。

 

また、端に使われている板の「柾目(柾目)」という年輪に対して垂直方向に製材すると出てくる縦じま部分に、光沢があるのが分かるでしょうか。

このように、見た目が美しい特殊な木目を「杢目(もくめ)」と呼びます。こういった面白味があるのも、木材の良さの一つです。

とても希少な価値のあるカウンター天板でした。取り付けられるのが楽しみですね!。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

そのまま2階を見ていきましょう!お次は、ダイニングキッチンから。

食器や料理、様々な小物を置くのに便利なキッチンカウンターにも、センの天板が使用されています。

杉板の腰壁を採用する事で、お部屋の印象が変わり、ナチュラルで温かみのある見た目となっていました。

木に囲まれ、明るく広々としたダイニングキッチンで、毎日の食事を楽しめそうです。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

DKから、隣のリビングを様子を見ていきます。

77cmの段差がある空間となっていて、天井高は3.37m。

段差を登っても天井が気になることは無く、開放感がある空間です。

こちらの腰壁も杉の板を採用しています。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

段差を登って奥に進むと、寝室が見えてきます。収納スペースも豊富で、使い勝手も素晴らしいですね。

天井には、腰壁と同じ杉の板材を採用。

木目がキレイで加工もしやすく、昔から日本人に親しまれてきた馴染み深い杉の木。

室内にこもった湿気を吸収してくれる調湿性を持ち、材としては空気を多く含むため、断熱性にも優れているのが特徴です。

ぐっすりと安眠する事が出来そうな、素敵な寝室でした!

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

1階の様子も見ていきます。こちらはLDKの様子。

キッチンが2か所あるのは、1階・2階それぞれで暮らせる、二世帯住宅ならではですね。カウンター天板は2階と同じくセン。

料理や片付けをしながら、リビング全体の様子を見る事が出来ます。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

カウンタ―下部は便利な収納棚となっています。

何かと物が多くなりがちなリビング・キッチン周りもスッキリしそうです。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

隣の1階寝室の天井も杉板張りです。

2階の天井板や腰壁もそうでしたが、「無節」の板になるよう製材されていますね。

「節」も樹種や使い方によっては魅力の一つですが、杉は黒っぽい節が多く、杉を造作の天井板や枠材に使用する際には「無節」の板が使われます。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

1階には、仏壇が置かれる和室もあります。

天井板には同じく杉が使われていますが、見た目が大きく違うのが良く分かりますね!

どの木材にも、丸太の中心に近い部分(赤身)と外側の部分(白太)がありますが、和室天井は寝室天井と比べ、赤身の強い板となっています。

また、こちらの板は「中杢目(なかもくめ)」と呼ばれる貴重な木目が使われています。

中杢目は、通常の板目と比べ、目幅が細く均一で端正な雰囲気があるのが特徴です。

「赤身+中杢目」、これは樹齢を重ねた大径木の丸太から製材しているからこそ、出来る貴重な物です。

 

お部屋の雰囲気に合わせ、板目・柾目と模様を変える事が出来るのも、木の住宅の魅力の一つです。

 

長澤紗織設計室 くらし建築工房

最後に、1階玄関コート掛けの格子材もご紹介。

杉ならではの柔らかみがあり、優しい手触りを楽しめそうです。格子により緩やかに区切られ、奥の空間が見える事で、開放感が得られます。

床や天井、腰壁、カウンターと木をふんだんに使っている空間だからこそ、無垢の格子材が映えていました。

 

さて、ここまで内部木工事の様子をご紹介してきました。

次回以降は、クロスなどの内装工事、住宅設備の設置、外装の工事などが進んだ状態をご紹介できればと思っております。

 

(文章:いわて木の家ナビ事務局)

お問合せ先

(有)くらし建築工房

TEL:019-651-3800

E-mail:kurashi@chorus.ocn.ne.jp

HP:http://www.kurashi-inc.com/

 

長澤紗織設計室

TEL:019-697-5471

HP:長澤紗織設計室 Home (coocan.jp)

(令和4年2月15日 11:00更新)