(有)くらし建築工房 安心して暮らせる二世帯住宅 新築レポート その3
(有)くらし建築工房
盛岡市に大切な家族と一緒に安心して暮らせる二世帯住宅を建設中です。
設計を担当するのは長澤紗織設計室の長澤紗織先生。建て主さんと一緒に悩みながら、心地よく安心して暮らせる家づくりを行っている設計士の方です。
施工を担当するのは、リフォーム工事などを得意とする(有)くらし建築工房。きめ細やかな配慮がされた、快適に健康的に過ごせる心地よい住宅を追及している工務店です。
どんな住宅が完成するのか、とても楽しみになりますね!
前回はコチラ⇒安心して暮らせる二世帯住宅 現場レポート(建て方編)
さて、今回は屋根の骨組みが組みあがり、断熱や外壁を入れるまでの部分。
下地材や、構造を補強する「羽柄材」と呼ばれる材料を納材したタイミングの様子をご紹介いたします。
住宅がどのような工程を経て出来上がっていくのか。そういった完成住宅を見るだけではイメージしづらい部分を紹介する事で、今後住宅の新築を考えている方の助けになれば幸いです。
まずは外観の様子から。(有)くらし建築工房様の垂れ幕が張られています。
ブルーシートで覆われていますが、シルエットから工事が進んでいる様子が分かりますね。
早速中に入っていきましょう。
まずは1階の様子から。
構造となる骨組みや、金具の設置などが更に進んでいるのが分かります。
また、2階床の下地合板も設置されていました。
お次は、いよいよ2階の様子を見ていきます。
回り込んで横から見てみると、屋根工事が大きく進んでいるのが分かりますね。
こちらが、内部から見た2階の様子。使われている岩手県産木材に注目しながら、主要な部材に注目して見てみましょう。
まずは、棟木と母屋(もや)と呼ばれる部材から。樹種は唐松です。
棟木は屋根の一番高い位置にある部材。母屋は、棟木と平行して屋根に取り付けられている部材です。
両方とも垂木を支え、屋根の荷重を小屋束から梁へと伝える重要な役目を果たしています。
お次に垂木。樹種は唐松です。
写真中で、屋根の角度に合わせて、棟木・母屋に対して斜めにかかっている部材が垂木です。
垂木は屋根の面を支える重要な骨組みの部分で、下地板や木材以外の防水性や耐風性を維持する建築材を張るための土台としての役割を持っています。
次は小屋束。樹種は杉です。
母屋と梁を繋ぐように取り付けられている、短い柱のような部分です。
母屋を支え、梁に力を伝達しています。
最後に軒天(住宅の屋根が飛び出している部分の裏側)の様子をご紹介します。
雨風が直接当たらないよう傘のように外壁を保護し、垂木などを隠して見栄えを良くするような役割を持っています。
外壁と共に どう仕上がっていくか、とても楽しみな部分です。今後も、施工前と施工後の様子を見比べていきたいと思います。
住宅を雨風や日差し、東北ならではの雪から守ってくれる屋根。ふだんは意識していませんが、沢山の岩手県産木材を活用して作られているのを実感する事が出来ました。
造作工事が進んでくると分かりやすくなりますが、天乾・2面無節の杉 役柱も使われています。
床や天井とどのようにマッチするか、期待が膨らみます。
こうして、完成時の様子を想像していくのも、構造見学の楽しみの一つです。
現場を見学している間に、「羽柄材」が納材されました。
どのような内訳になっているか、ざっとご紹介します。
岩手県産の杉を使用しているのは、間柱など。
間柱は、上の写真では中央に写っている部材です。
構造用の柱と柱の間に付けられる柱で、壁の下地材や下地受け材となります。
この間柱と共に、横向きに取り付けられるのが胴縁。同じく下地受け材としての役割があります。
内胴縁は杉、外胴縁は唐松と適材適所で使用されています。
写真では右から三番目の長くて白っぽい材料が内胴縁、一番左の材料が外胴縁です。
同じく下地材として野縁という材料もあります。こちらは天井の下地に使われています。
写真では一番右にある真四角の細い材料が野縁です。
次は、岩手県産の唐松を使用している筋違もご紹介します。
筋交いは、建物の柱と柱の間に斜め方向に取り付ける補強材で、納材後すぐに大工さんが取り付けにかかるほど重要な部材です。(そのため写真には写っていません。)
対角線状に筋交いを加えて三角形の構造を作ることで、耐震性を高める事が可能になります。
さて、ここまで材料・部材や樹種などの解説を中心に、今回の住宅をご紹介してきました。
次回以降は、住宅としてのこだわりポイントなどにも触れていきながら、ご紹介できればと思っております。
(文章:いわて木の家ナビ事務局)
お問合せ先
(有)くらし建築工房
TEL:019-651-3800
E-mail:kurashi@chorus.ocn.ne.jp
HP:http://www.kurashi-inc.com/
長澤紗織設計室
TEL:019-697-5471
(令和3年11月8日 14:00更新)