(有)清水畑建設 事務所 兼 多目的施設 新築レポート
(有)清水畑建設
(文章:いわて木の家ナビ事務局)
先日、様々な林業関係者の方々と一緒に、岩手県産木材をふんだんに使った清水畑建設様の住宅を見学してきました!
今回は、その様子をご紹介します。
ご一緒したのは、岩手県庁・林業振興課の渡辺さん、盛岡広域振興局・林務部の澤崎さん、
今回 材料を供給した株式会社坂東木材の坂東社長です。
今回はご自宅の隣に建つ、オープン目前の事務所の様子を見学していきます。
事務所ですが、多目的な使い方が出来るスペースになっていくようです。面白そうで、とても楽しみです。
まずは、外壁の見学です。外壁の杉板には、自然に経年変化したような色合いになる塗料が塗られています。
おなじ塗料でも、塗ったタイミングによって、また違う色合いを見せていました。道沿いに建つ杉の外壁は、とても目を引きます。
中に入ると、キッチンが見えます。ナラの床板を利用して、落ち着いた雰囲気となっていました。
今後は、自由な使い方が出来るスペースとなるようです。
窓際には、長くて幅広のタモのテーブルもありました。なんと1枚板です!
タモは木目がキレイな硬い木材で、家具用材などに人気の木材です。
現在では、このような幅の広い天板が取れる太い丸太は、滅多に市場に出回ることがありません。とても貴重な材料です。
一番表皮に近い部分を、幹の形に添って仕上げた部分を「耳」と呼びます。自然なうねりや曲がりを残すことで、木の質感が感じられるテーブルとなります。
天井には、幅60ミリのオニグルミの羽目板を使用しています。
明るい色合いで、柔らかい雰囲気となっています。
大きな杉の幅広テーブルも。丸太の中心に近い赤身と、表皮に近い白太の色合いの違いがハッキリ分かります。
柔らかい木材で、手触りも良く、温かみがありました。
たくさんの資料を広げたりと、便利な使い方が出来そうです。
次に見学したのは、吹き抜けとなっている部分。
1階の壁は、通常の赤松のプレミアム合板を使用しています。それを見ながら、
上を見ていくと、今回の住宅の注目ポイントが見えてきます。
使用されている羽目板は、青く変色した赤松です。
木材業界では長年、乾燥などの過程で変色した赤松は、「アオが入った」といい建築材などに使われる材料からは弾かれてきました。
しかし近年、十分に乾燥させ、この自然由来の青模様を積極的に活かす使い方が注目されています。
今回の住宅では、外壁と同じ経年変化をしたような色合いになる塗料を塗り、壁板として利用しています。
実際の物を見てみると、白太を中心に青灰色に変色していますが、それが逆に味わい深い雰囲気になっています。
今後、塗料の効果を含む経年変化によって、さらに色合いが変化していきます。
また時間が経ってから、どのような変化になっているのか見るのが、とても楽しみです。
そのまま天井を見てみると、緑がかったカッコイイ色合いのホオノキの化粧合板が見てきます。
隣の赤松合板と比べる事で、面白い見た目が楽しめます。
天井から目を移してみると、ナラの床板が見えてきます。
広葉樹の中では傷がつきにくい硬い木で、重厚感がある木材です。
白っぽい部分は、経年変化によって馴染んでいき、落ち着いた色合いになっていきます。
奥に進むと、もう1つの吹き抜けが見えてきます。
右側に1枚だけ白っぽい板があるのが見えるでしょうか。
清水畑社長のお話を聞いてみると、塗装のタイミングをずらした材料であるようです。
こういった材料があると、色合いの変化の過程を、他の板と比べながら見る事が出来そうです。
次は、2階の様子を見ていきます。
踊り場と踏板をじっくりと見ながら、階段を昇ってきました。
段板には、センの天板を使用しています。
センは、白っぽい色合いで艶があり、美しい木目が特徴です。
軽くて柔らかい木材で、踏み心地もよい材料です。
階段横の壁にも、青入りの赤松が使われています。
2階に上がると、幅が150ミリと広い赤松の床板が見えてきました。
赤松独特の大きめの節が面白い見た目になっています。
今まで見てきた住宅の中では、幅150ミリの赤松の床板は珍しく、皆さんでじっくりと見る場面も。
こちらの床板はまだ無塗装なので、後で自然塗料を使って塗装するそうです。
通常の赤松は、経年変化によって綺麗な飴色に変化していきます。青入りの赤松と比べてどのような色合いの違いが出るのかも楽しみです。
天井には赤松の化粧合板も。県産材の中でも、特に赤松をふんだんに活用した空間となっていました。
お次も、面白い使い方をしているポイントを見ていきます。
こちらは収納スペースですが、奥の壁に注目してみると面白い事に気づきます。
なんと、最初にご紹介した吹き抜け部分に使われている、青入りの赤松羽目板の裏面がそのまま見えています。
1枚1枚の板が、違った表情を見せていて、とても面白い使い方です。
カタログなどを置く収納スペースです。こちらの面も、木裏がそのまま棚の壁になっています。
上から、吹き抜けを見た様子です。とても開放感がありました。
廊下を渡り、お次はスッキリとして綺麗なシナ合板を天井材に利用したお部屋にやってきました。
清水畑社長の作業用スペースとなるお部屋です。
ここでは、構造用の杉梁材などにも注目していきます。
今回構造に利用した材料は、盛岡市で育てられた樹齢が100年以上ある太い丸太から製材しています。
実際に山の様子を見学した際の内容も、木の家ナビに投稿しておりますので、併せてご覧ください!
その丸太を実際に製材した坂東社長によれば、今回は芯去り材を含む無節の材料がほとんどだそうです。
見えているほとんどの梁が綺麗でした。また、芯去り材は割れにくいという特性もあるため、化粧用にはピッタリです。
景色を見てみると、岩手山の姿が!
作業をしながら、景観も楽しみたいという清水畑社長のこだわりです。
見学した皆さんで岩手山を見ながら、今回の見学は終了です。
岩手県産木材をふんだんに使い、特に赤松を活用している現場を見る事が出来ました。
まさに、様々な種類の木が山にある岩手県だからできる家づくりです。
今回は材料に注目した紹介となりましたが、暖房システム等、清水畑社長の沢山のこだわりが、まだまだ詰まっています。
後ほど見学会が開催される予定ですので、興味のある方は是非 お越しください!
木の家ナビでも、予定が決定次第、お知らせしていきます。
お問い合わせ
(有)清水畑建設
Facebook:https://www.facebook.com/有清水畑建設-204904009521466/
(2021年2月16日 12:00 最終更新)