(有)杢創舎 「鉈屋町町屋のリノベーション」完成報告

森の棟梁 現場レポート
(有)杢創舎
盛岡市鉈屋町の築100年以上の古民家リノベーション工事が竣工しました。
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《文章:杢創舎 澤口社長》
古き良き町並みが残る盛岡市鉈屋町。
「出来るだけ古い姿を再生しながら、新しい部分も違和感なく溶け込ませたい」とのご要望でした。
断熱性能は出来るだけ高めましたが、ご覧の通りの古建具の再利用で隙間が多く
新築的に完全ではないものの、以前に比べかなり寒からずのお住まいにはなりました。
しかも結露はしないので、超気密完全断熱ではなくとも不思議と不足感を感じない気がします。
1.改装前の台所.JPG
改装前の台所で寒さを凌ぐために天井が張られていましたが、屋根に断熱を400㎜入れて天井は外しました。
2.改装後の台所.JPG
改装後の台所です。以前は既製品のフロアーで物凄く冷たかったのですが、
床下を防湿して栓の無垢床を張ると暖かくなりました。
流し前カウンターなども外した床板の再利用です。
3.リビング天井側.JPG
1階の天井を外して吹抜けを設け、断熱してから柾板を張り込みました。
柾板は施主様の倉庫からの発見材で青森ヒバでした。
4.リビング床側.JPG
リビングの床面はやはり栓の無垢床ですが、建具の敷居が斜めで隣の畳がそれに合わせて斜めなので苦労しました。
取り外し可能なテーブルはケヤキ材での造り付けです。
5.建具再生.JPG
建具の細い千本格子も折れたり取れたりしていたのですが、修理して格子を付け直し古色仕上げにて自社で再生しました。
6.建具再利用.JPG
古い建具のガラスや格子が素敵なので、各所で再利用させていただきました。
7.通路土壁.JPG
一度現地で落ちてきた土壁の土を篩にかけて不純物を取り除いてから、再度塗り込んでみました。
下地処理に一工夫したので落ちてきませんから、昔のままだけでなく現代の材料の良さとの組み合わせで行けると感じました。
岩手の山からいただいた無垢材の恩恵は、100年が経過しても朽ちずにまだまだ長期に使えると云う素晴らしさだと思います。
地場の無垢材を多用することは未来へゴミを送り込まない良さも感じます。
土さえもこうして再利用できる手応えを得て楽しく仕事をさせていただきました。
詳細・お問い合わせ先
(有)杢創舎 好摩事務所
 TEL:019-601-5192
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