住工房森の音 製材工場にて床板打合せ&棟梁による墨つけ進行中です
住工房森の音 現場レポート
現在、雫石にて基礎工事中の現場が着々と進行中ですが、先日、こちらの現場で敷く予定の
カラマツ無垢床板の打合せを行いに、製品を生産している製材工場へ行ってきました。
岩手はカラマツの代表的な生産地です。
狂いがひどく建築材には敬遠されていた樹種でしたが、近年の乾燥技術の発達により、
現在では岩手ならではの材料として貴重な木になりました。
カラマツ床板の原板です。
二戸市の山のカラマツが、使用されています。
この原板を加工して、床板が完成します。
(正面の女性スタッフが、工場職員の佐々木さん、青い帽子が森の音、現場監督の山内さんです)
こちらは、「モルダ―」という機械です。
原板の表面を加工し、きれいなツルツルの状態にします。
さらに、施工時に側面部分でジョイントしやすいように、凹凸の加工を施します。
節部分の凹凸を平らにするために、パテで処理していきます。
何と1枚1枚職工さんの手作業。根気のいる作業です。
パテ処理が終わると、仕上げの加工を行います。
「サンダー」という機械で、表面を磨きます。
出来たての床板です。
木の香りが広がります。
(仕上がった床板を確認する現場監督の山内さん。向かって左の女性)
こちらは木材の乾燥機です。
約10日位、高温の蒸気で原板を乾燥させます。
乾燥後、最短でも2週間程、外の空気に触れさせた後に、モルダ―加工を行います。
この外の空気に触れさせ、木を落ち着かせることがポイントです。
床板1枚1枚にも、製材工場の皆さんの技術と知恵が詰まっています。
岩手県産カラマツ無垢床板。あなどるなかれです。
同じくこちらの住まいの、構造躯体の墨つけ作業も着々と進んでおります。
こちらは番付表と呼ばれる家の設計図です。
いろはにほへとちりぬるを・・・123456789・・・
語句と数字で構成された座標に、柱・梁桁の収まりを記します。
番付表を書くのは、棟梁の仕事とされています。
墨つけを行っていきます。
番付表で記した座標や、継ぎ手部分の印を木材へ書き込んでいきます。
棟梁の中村さん。大工歴約30年の大ベテランです。
写真は盛岡市産の50年生のカラマツ。梁桁に使用します。
「カラマツは粘りが強い木。癖が強いからこそ、1本1本見極めて墨つけをすることが大事」
と、中村棟梁は語ります。
こちらは、墨壷。
中に墨を含んだ綿が入っており、墨さし(へら状のペン)を付けて、木材に書き込みます。
床板の生産、墨つけ・・・
この2つの工程だけでも、目には見えない人の技術と知恵が必要とされることが分かります。
森の音は、地元の素材にこだわるのはもちろんですが、手づくりによる家づくりを行っています。