森の棟梁突撃レポート -一二三工務店(株)-
県産材を使った家づくりに関するよもやま話を、5回にわたってお送りしていく「森の棟梁突撃レポート」。
最終回の今回は、盛岡市上太田にあります「一二三工務店」さんです。
現在、吉田社長さんと社員さん2名の計3名で、年間平均5棟を心を込めて建てられている
工務店さんです。
お話しして下さったのは、営業、現場監理と担当されている吉田社長と社員の高橋さんです。
Q1. 目に見える造作材だけでなく、柱や梁といった構造材、野地板などの小骨材にまで県産材を
使用しているとのことですが、お客様の年齢層と大体の建物予算を教えて下さい。
A. 年代は30代後半から60代と幅広いですが、50歳代が多いです。
建物の予算は坪数により変わるので一概に言えませんが、2200~2700万円前後です。
Q2. 積極的に県産材を使用している理由は何でしょうか?
A. 県産材を使用したかったのではなく、岩手県にあった家づくりを考えた結果、その一つの方策
として、県産材使用という結論に行きつきました。
岩手は内陸気候特有の寒暖の差から生じる結露、断熱対策をしっかり行う必要があります。
当社では季節に応じて通気を変える工法にプラスして、そうした気候に順応した県産材の調湿
機能に大きな役割を感じています。
Q3. 山側や製材所といった木材供給側への要望はありますか?
A. お客様の木への執着・要望というものがまだ浅い気がします。漠然と「木の家で癒されたい」
という感じです。入口としては十分だと思いますが、さらに次のステップに引き込むことが
大事だと感じます。
そういった意味では、山側とのお客様の接点・触れ合いの機会を増やしたいですね。
そうすれば、岩手の山ももっと元気になると思いますしね。
Q4. 最後に一二三工務店さんの、家づくりに対する想いを教えて下さい。
A. 一言でいえば「岩手の風土に合う、孫の世代まで続く家づくり」を常に目指しています。
それは住宅性能で言えば、結露・通気・断熱対策ですが、もう一つ不可欠なのはお客様と
良い関係を築いていくことです。
それは単にお客と契約工務店という関係ではなく、家族のような深い信頼関係を築いていく
ということです。
当社には展示場はありませんが、、OBのお施主様が「うちをぜひ次のお客さんへ見せて」
というお声を頂きます。このようなお言葉を頂くことは本当にありがたいですし、今後も
こうした気持ちを忘れずに、お客様と共に家づくりを行っていきたいと思います。
風土にあった住宅の提案はもちろん、心でお客様と接すること・・・
人として忘れてはならない大切な部分を、しっかり持ち続けている工務店さんでした。