森の棟梁突撃レポート -(株)木村設計A・T-
県産材を使った家づくりに関するよもやま話を、5回にわたってお送りしていく「森の棟梁突撃レポート」。
第2回目の今回は、花巻市下小舟渡にあります「(株)木村設計A・T」さんです。
盛岡の久慈設計に長年勤められていた社長さんが花巻に戻られ、久慈設計花巻として
スタートしたのが平成元年。その後、息子さんが花巻に帰って来られたのを機に木村設計A・Tへ
社名を変更されたそうです。ちなみにA・Tとは、アート&テクノロジーの略。
社内にマルチメディア部、都市計画から不動産までと12人のメンバーで構成されている、
非常にユニークな設計事務所さんです。
設計事務所として長年、公共建築から住宅まで幅広く携わってこられた木村社長さんへ
家づくりについてお話を伺いました。
Q1. 年間3~4棟の住宅の設計をされているとのことですが、県産材住宅はどれ位の予算で
建てることができますか?また設計料の計算方法も教えてください。
A. 一概にいくらとは言えませんが、私がこれまで建てた県産材住宅には坪36万円もあれば、
坪80万円というのもあります。
実はこの2棟とも私の自宅と息子の家なんですが、お客様にはこの2棟を比較して頂き、
指標にして頂いております。
設計料に関しては、総工費に対する何%という計算方法もありますが、私は規模に関わらず
最低100万円はかかることをお話ししております。
20坪の家でも100坪の家でも、設計・模型の製作、3Dアニメーションの制作
(模型で表現しきれない部分の確認)は同等の経費がかかりますからね。
Q2. 県産材を使用していて、何か要望することはありますか?
A. そうですね。公共物件に多いことなのですが、本当は計画と並行して地域材が揃えられれば
良いのですが、入札制度がその障害になりますね。
また協力業者さんに関しても、本当は地元産業、地元業者と協働したいのですが・・・
何かクリーンな方法はないものですかね。
Q3. 木村設計A・Tさんの家づくりに対する想いを教えて下さい。
A. 「使い込んだ家具のような家」です。
実は昔はけっこう斬新な建物を設計していたんです。(若気の至りですが・・・)
今は高気密・高断熱等の技術の追求だけでなく、四季を感じれる住宅を提案しています。
また、現在のライフスタイルに合わせた住宅ではなく、10年先、20年先と住む人の年齢と
共に愛着が出る家。そんな提案を行っていければ良いと思っております。
家づくりも年の功でしょうか。
10年先、20年先も永く愛着を持って住める「使い込んだ家具のような家」
本当にいいフレーズですね。