長澤紗織設計室 山からの家づくり③ 完成編
長澤紗織設計室
お施主さんの山の木の伐採から始まった「山からの家づくり」
10月末に完成を迎え、完成見学会にも多くの方にご来場いただきました。
今回は完成編と題して、数ある見どころのうち一部ですが、ご紹介していきます。
まずは外観から
1階角の塗装された外壁と玄関ポーチ柱は杉で、
どちらもお施主さんの山から出た材です。
こちらは玄関です。
収納棚の杉の柾目が目に留まります。
天然の木目を生かした、節が無く幅広い板は貴重ですね。
上り框には岩手県産のサクラを使用しており、赤い色合いが鮮やかで、
硬くなめらかな質感のため足触りも抜群です。
サクラは時間がたつことで赤い色が強くなり、
より一層鮮やかになっていく様子を楽しむこともできます。
リビングには、これも山からの唐松の床板を敷き、
岩手県産のセンでテーブルも作りました。
テーブルの長さはなんと2m。
ご家族皆さん集まるのに十分な広さがとれますね。
こちらはキッチン裏にある収納スペースです。
使い方に合わて棚を変えられるようなっており、
女性設計士さんならではの細かな心遣いが感じられます。
そして、ひときわ目を引くのがこちらの階段。
段板、手摺、格子、ささら(段板を支えている部分)に岩手県産のカツラを使用しています。
カツラもサクラと同様、赤い色味が経年変化で、より鮮やかになっていきます。
木口のなめらかさは広葉樹の中でも抜群です。
サクラとの変化の違いを比べてみるのもまた面白いかもしれませんね。
階段の下にはこんなスペースも。
こちらにも収納が用意されています。
杉材の壁やカウンターでリラックス温かみのあるスペースですね。
2階には杉の床板を使っています。
唐松とはまた表情が違い、やわらかな印象となっています。
寝室や子供部屋となるので、落ち着いた雰囲気がマッチしていますね。
お施主さんの山の伐採からスタートした「山からの家づくり」。
山から出た木を活用しながらゆっくりと丁寧に作り上げた家。
今後、伐採した山の植林も検討しているとのことです。
山から始まるこの循環を大切にしていきたいですね。
お問い合わせ先
長澤紗織設計室
TEL:019-697-5471
ホームページ:http://ns-sekkei.blue.coocan.jp
文章:木の家ナビ事務局