長澤沙織設計室・(有)岩井沢工務所・(有)清水畑建設 山林現地見学会
今回は、令和元年10月26日に行われた山林現地見学会の様子をご紹介致します。
長澤沙織設計室の長澤室長・(有)岩井沢工務所の岩井沢社長・(有)清水畑建設の清水畑社長にお越し頂きました。
見学した山林は、(株)金澤林業の会長・金澤 裕臣さんが盛岡市内所有する100年以上代々受け継いできた山林です。第56回農林水産祭において、樹齢108年の杉6本が農林水産大臣賞を受賞しています。今回は、受賞した山林が、どういった山林であるか見学してきました。
所有者である金澤 裕臣さんが直接お話を聞かせてくれました。貴重な体験です。
伐採された杉の丸太の様子です。年輪がとてもハッキリしているため、板目・柾目がキレイにとれそうです。また、年輪の目も細かく、貴重な無節の材料になりそうです。
その丸太を需要がある長さに玉切りしていきます。柳本林業の柳本 一男さんに実演して頂きました。
(画像:中央の丸太が一番玉)
4mの丸太となりました。元に近い丸太である一番玉は、化粧材である両側柾目の柱や建具材に用いられるようです。
見学者からの、なぜ4mに切ることが多いのかという質問に、盛岡木材流通センターの田口部長からは、合板などの需要が大きい事が理由の一つであるとの説明がありました。建築現場では、3mの柱も需要があるため、建築現場と山林との連携が今後の課題かもしれません。
次は、こんなに太い丸太も玉切りして頂きました。太い丸太であれば、柾板よりも貴重な柾平割という材が取れるそうです。また、切り落とされた端の根杢(根に近い部分)は、現在は需要が無いそうです。とても立派で勿体ないので、有効利用への道を考えていきたいです。
こうして切られた丸太が、市場に運ばれ、製材を経て製品となって建築現場に運ばれます。
こうした太い丸太はとても貴重であることが、山林見学を経て改めて実感できます。
伐採の様子も見学することができました。近くで見ると、とても大きい事が分かります。樹高も35mはありそうです。
何度も調節しながら、チェーンソーの刃を入れていきます。
最後にくさびを打って、慎重に倒していきます。
大迫力の伐採見学でした。数本伐採して頂きましたが、すべて同じ方向にキレイに倒れていました。柳本さんの長年の経験と、培ってきた高い技術を感じます。
そして、それらも玉切りをしていきます。丸太1本1本に、手間暇がかけられています。
山林を見学することで、木材を流通させることの大変さと楽しさを感じました。
最後に、参加者全員で記念撮影を行いました。
参加した長澤室長や清水畑社長も、「貴重な体験だった」と語っていました。岩井沢社長からは、「この様子を現場の大工にも見せたい」と語っていました。
日々使用している材が、どのような所から出されているのか。普段目にできない現場を見学することで、材料1つ1つへの愛着や、特別感を感じる事が出来そうです。
(文章:木の家ナビ事務局)