第2回 いわて森の棟梁研修会 報告レポート

今回は、いわて森の棟梁登録事業者などを対象として、1月24日(月)に開催された研修会の様子をご紹介します。

 

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演題:木の見方・使い方・人材育成・技術継承について

講師:菊池 恭二 氏

 

講師として来て頂いたのは、遠野市で宮大工として活躍する社寺工舎の菊池恭二氏。

文化財の復元など、全国の寺社工事を大工棟梁として指揮を執ってきた方です。岩手県内では、盛岡八幡宮拝殿や毛越寺本堂、鬼越蒼前神社なども手掛けられています。

今回は、木材の見方・使い方と心技体の継承について講演して頂きました。

 

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神社仏閣における木材利用について、どのような木が使われるのか。どのような木が造り手に好まれるのか。

適材適所の木材の選び方や、捻じれや製材後も動くことを見越した木材の見方など、これまでの経験で培われたお話を聞くことができました。わかりやすい木材・継手のサンプルなどもご用意いただき、参加者の皆さんもワクワクしながら手に取って見ていました。

槍鉋の技術を実際に披露して頂いた場面も。参加していた大工の方々も挑戦し、研鑽された技術の高さを直接感じているようでした。

 

後半は、ご自身の修業時代のお話も交えながら、人材育成・技術継承についてお話をして頂きました。

師匠の仕事を見せた後、弟子に仕事をさせる大切さや、言葉や文字では伝わらないことを、いつも側にいて見て感じさせる。

ミスを責めて自信を失わせるのではなく、ミスを乗り越えさせ自信を持たせることが大事など、あらゆる仕事に通じる内容で勉強になりました。

 

参加者の方からは、

・社寺建築の手法が身近で具体的に、どのように活かせるかを知りたいと思いました。

・技術継承は長い年月がかかるが、必要なことだと感じた。

など、様々な意見を頂けました。

 

木材の見分け方や使い方、職人としての精神と技術を後の担い手に継承していくことは、とても重要です。

今回の研修も、心に刺さる内容でした。

 

(文章:木の家ナビ事務局)